コモンモードチョークコイルとは
コモンモードチョークコイルとは、1次側と2次側の巻線比が同一で(𝐿1=𝐿2)また、巻線の極性(巻線の方向)を合わせたものです。したがって、ノーマルモードとコモンモードのノイズ電流を流すと発生する磁界の方向の違いでコイルの作用が異なります。
【コモンモードチョークコイルを使用したフィルタ基本回路】
【ノーマルモードノイズでの作用】
ノーマルモードでは、トロイダルコア内の磁界の向きが逆方向となり、打ち消しあうためコイルとしての作用はしません。この原理より、ノーマルモードの大電流がコイルへ流れた場合でも、コアは磁気飽和せずにコモンモードチョークコイルとして作用します。
【コモンモードノイズでの作用】
コモンモードではトロイダルコア内の磁界の向きが同方向となり、強めあうためコイルとして作用するようになります。
下図のように、入出力端子間に同相の交流信号を入力し伝送特性を確認すると、ローパスフィルタとして機能していることが確認できます。
ここで、負荷抵抗(LOAD)=R[Ω]とした場合でのカットオフ周波数Fcは、以下の式で示すことができます。
これによりカットオフ周波数と負荷抵抗が分かればコモンモードコイルのインダクタンス値が算出できます。上図の回路構成はLRによる-20dB/dec.の減衰量をもつローパスフィルタであり、カットオフ周波数が低いほど高周波ノイズの減衰率が大きくなります。
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