コモンモードチョークコイルを使用したLCノイズフィルタ効果(コモンモード)
コモンモードチョークコイルを使用したノイズフィルタの実測とシミュレーション比較のフィルタ回路で、コモンモードノイズの減衰効果を確認するには、下記のような結線を行います。
ここで、Xコンデンサと負荷抵抗(Load)については、コモンモードの場合では信号ラインに相当するHi側とLo側で位相関係が同位相となるためHi側とLo側の電位差が生じません。このため、Xコンデンサおよび負荷抵抗への電流は流れないため、下記のように省略できます。
また、自己インダクタンスYコンデンサからなるフィルタの特性インピーダンスZ0は、以下の式のようになります。
このため、信号源の出力インピーダンスを揃える必要があります。LDFL002302LS-V0Eの場合、下記の回路定数でSPICEシミュレーションを実施します。Yコンデンサは1μFのセラミックコンデンサを使用し、7素子のSPICEモデルを作成しました。
以上より、LDFL002302LS-V0Eと1μFのセミックコンデンサを組んだ場合の実測値とSPICEシミュレーションの比較結果を示します。下記グラフの通り、減衰特性はほぼ-40dB/Dec.であり、実測とシミュレーションでよく一致していることが確認できます。
【LDFL002302LS-V0Eでの回路定数】
コモンモードの場合、コモンモードコイルの自己インダクタンスとYコンデンサによりローパフィルタが形成されます。カットオフ周波数(Fc)は以下の式で表せます。
等価回路の各成分 | 回路 | 数値(入力値) |
浮遊容量 | C | 2.1pF |
鉄損(磁性体のロス) | R | 11.6kΩ |
自己インダクタンス | L | 15.0mH |
結合係数 | k | 0.9996333 |
銅損(電線のロス) | DCR | 30mΩ |
ダミー抵抗 | Rd | 1GΩ |
出力抵抗 | R-Out | 87Ω |
以上より、LDFL002302LS-V0Eと1μFのセミックコンデンサを組んだ場合の実測値とSPICEシミュレーションの比較結果を示します。下記グラフの通り、減衰特性はほぼ-40dB/Dec.であり、実測とシミュレーションでよく一致していることが確認できます。
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