アルミ電解コンデンサの用途別の選定ポイント
目次
使用用途別の製品選定のポイント
アルミ電解コンデンサは主に電源の平滑用としてご使用頂いていますが、用途によって選定のポイントがあります。それぞれに見合った特性を持つアルミ電解コンデンサを選定して下さい。以下に代表的な事例を紹介します。1. スイッチングレギュレータ入力平滑用
入力平滑用コンデンサは整流回路の後に入って50Hz~120Hzの整流波形を平滑します。また後段のスイッチング回路へ直接電力を供給するため、スイッチング周波数のリプルも重畳されます。
よって、リプル電流は、双方の周波数を考慮する必要があります。コンデンサのESRは周波数特性を持っており、リプル電流値が同じでも周波数によって発熱は異なります。
PFC電源や照明用バラストなどの場合、主に数十kHz~100kHzのリプル電流が重畳されるため、インピーダンス特性に注意して製品を選択する必要があります。
●スイッチングレギュレータ入力平滑用推奨シリーズ
2. スイッチングレギュレータ出力平滑用
出力平滑用コンデンサは、100kHz前後のリプル電流が重畳されるため、高周波でのインピーダンス特性に優れた製品が用意されています。また、目的に応じて広温度タイプ、長寿命タイプの中から選択することが可能です。広温度タイプの製品は、長寿命タイプと比較して耐久性保証時間は短くなりますが、温度による電気的特性の変化は安定しています。使用温度範囲が-55~105℃や-40~125℃のタイプがあります。
長寿命タイプの製品は、低インピーダンス・長寿命に特化して開発した製品です。広温度タイプと比較して低インピーダンスで長寿命となりますが、製品群としては105℃タイプが上限です。また、温度による電気的特性の変化も大きくなります。
3. インバータ主回路平滑用
インバータ主回路平滑用コンデンサは、入力平滑用コンデンサと同様な使われ方となりますが、以下のポイントも考慮をお願いします。- AC400V入力の平滑回路に使用する場合、定格電圧350~400Vdcの製品を2個直列で使用することがあります。
- 直列接続で使用した場合、過渡的には静電容量値に応じて、充電が完了した後は漏れ電流値に応じて、それぞれのコンデンサに印加される電圧が決定します。
- 充電完了後の印加電圧が定格電圧を越えないようにするために、バランス抵抗をコンデンサと並列に接続して下さい。バランス抵抗選定方法についてはお問合せ下さい。
- コンデンサを常時充放電で使用する場合は、バランス抵抗を接続しても、静電容量のバラツキによりそれぞれのコンデンサの充電電圧が決定しますので、電圧バランスを保つことが難しくなります。
- サーボアンプなどのように頻繁に回生による電圧変動が繰り返される場合は、充放電を考慮した推奨シリーズをご使用いただくか、個別に仕様の検討が必要となります。
●インバータ主回路平滑用推奨シリーズ
4. フォトフラッシュ用
フォトフラッシュ用コンデンサは、エネルギー体積効率を重視した設計をしています。そのため、使用可能な条件は限定的となります。平滑用など別の用途には適しませんのでご注意下さい。尚、製品の仕様は個別の打合わせで決定するのが一般的です。上記に当てはまらないご質問・お問い合わせは
下記からご連絡ください