アルミ電解コンデンサのインピーダンス周波数特性
アルミ電解コンデンサのインピーダンス周波数特性とは、コンデンサに印加する交流電圧の周波数を変化させたときに、交流電流を妨げる要因であるインピーダンス(Z)が変化する特性のことです。(Fig.14)
【Fig.9】等価回路の簡略化
【Fig.14】インピーダンス-周波数特性の要素
アルミ電解コンデンサの簡易的な等価回路はFig.9の通りで、インピーダンス-周波数特性をこの等価回路の成分(C,R,L)ごとに分解したものがFig.14の破線です。このグラフから判るように、インピーダンス特性はC,R,Lの周波数特性を組み合わせた特性となっています。
1/ωCは、純粋な容量性リアクタンスで45°の右下がりとなり、ωLは、純粋な誘導性リアクタンスで45°の右上がりとなります。Rは等価直列抵抗ESRで、周波数の低い領域では、周波数依存のある誘電体のロス分の影響が大きいため、右下がり傾向にありますが、周波数の高い領域では、周波数依存性のない電解液、電解紙の抵抗分が主体となるため、ほぼ一定の値となる傾向にあります。
これを式で表すと、以下の様になります。
アルミ電解コンデンサのインピーダンス特性は、R成分である電解液や電解紙の抵抗値に依存するため、Fig.15の実線のように自己共振周波数でのZは比較的大きくなる傾向があります。また電解液の抵抗分は温度により変化し、インピーダンス特性は、Fig.16のように温度を高くすると小さくなり、温度を低くすると大きくなります。
【Fig.15】各コンデンサのインピーダンス-周波数特性
■リード形105℃ 35V470μFの例
【Fig.16】インピーダンスESRの周波数温度特性
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