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アルミ電解コンデンサの信頼性

アルミ電解コンデンサを使用し機器を設計する場合、信頼性上、故障率と有効寿命に着目する必要があります。
アルミ電解コンデンサの故障率はFig-17バスタブ曲線に近似します。
アルミ電解コンデンサの故障率バスタブ曲線

Fig-17 バスタブ曲線

  1. 初期故障期間
    使用開始後の比較的早い時期に設計、製造上の欠陥もしくは使用環境との不適合により生ずる故障期間です。アルミ電解コンデンサでは、製造工程においてデバッギングされる不良で、製品が出荷される以前の故障です。
  2. 偶発故障期間
    故障の発生が低く安定しており、時間に無関係に故障が発生する期間です。アルミ電解コンデンサでは、半導体、タンタル固体電解コンデンサと比べてこの期間の破局故障が低いのが特長です。
  3. 摩耗故障期間
    特性が徐々に劣化して、時間とともに故障率が高くなる期間です。アルミ電解コンデンサは、製造を完了した時点から、含浸された電解液が封口ゴムを透過し、時間とともに内部の電解液の蒸発が進み、静電容量または損失角の正接が規格値からはずれた段階で摩耗故障(寿命)に至ったと定義されます。摩耗故障に至るまでの期間が有効寿命となります。
また、アルミ電解コンデンサの故障形態は、破局故障と摩耗故障に分けられます。
  • 【破局故障】
    ショート、オープン等によりコンデンサの機能が完全に失われる故障形態です。
  • 【摩耗故障】
    特性が徐々に劣化して生ずる故障形態で、機器の使用目的により故障の判定基準が異なります。判定基準は耐久性の項目がシリーズごとに規定されています。
  • 静電容量の変化率
  • 損失角の正接
  • 漏れ電流
故障率の単位としては%/1000時間(10-5/時間)が最もよく用いられます。更に故障率の小さい高信頼性部品にはフィット(記号Fit)10-9/時間が使用されます。

アルミ電解コンデンサは、電気的特性が時間の経過と共に徐々に劣化し故障率が高くなる摩耗故障部品です。一般的に故障率(フィット)はトータルコンポーネントアワー(試料数×時間)で決まります。

アルミ電解コンデンサの場合、試料数が多くなった場合の故障率と、試験時間が長くなった場合の故障率では得られる値が等しくても、意味合いが異なります。従ってアルミ電解コンデンサの信頼性として故障率は馴染まず、電気的特性の判定基準に基いた寿命時間で信頼性を考慮する必要があります。

信頼性の尺度として使用される用語MTBF(平均故障間隔)とMTTF(故障までの平均時間)がありますが、アルミ電解コンデンサの場合は後者の修理しない系・機器・部品などに含まれるため、故障までの動作時間の平均値「MTTF 〇時間」で表します。

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寿命
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