株主・投資家情報経営方針

事業等のリスク

日本ケミコングループでは、リスクマネジメントを経営が関与する最上位の規格に位置づけています。日本ケミコングループは「リスクマネジメント基本方針」に基づきリスクマネジメント委員会を設立し、グループのリスクを横断的・総括的に管理しています。現に存在するリスクや将来考慮すべき各種リスクを「戦略リスク」「財務リスク」「ハザードリスク」「オペレーショナルリスク」に分類し、年2回リスクマネジメント委員会でとりまとめ経営委員会に報告しています。
このようにして特定・報告されたリスクのうち、連結会社の経営成績、株価、キャッシュ・フロー及び財政状態等に影響をおよぼす可能性のある主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、2020年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

1. 経済状況について

当社グループは、コンデンサ及びその他の電子部品の製造・販売を主たる事業としており、事業活動を日本、米州、欧州、アジア等グローバルに展開しています。そのため、当社グループの製品が販売されている国、地域の経済状況の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響をおよぼす可能性があります。

2. 為替レートの変動

当社グループの製品は日本国内のほか米州、欧州、アジア等の地域に販売されており、連結売上高に占める海外売上高の割合は、2020年3月期76.0%、2021年3月期80.0%となっています。このため為替予約等によりリスクヘッジを行っていますが、全てをカバーできる保証はなく、当社グループの業績および財政状態は為替変動の影響を受ける可能性があります。
また、連結財務諸表を作成するにあたって在外子会社の財務諸表を円換算していますが、換算時の為替レートにより、現地通貨における価値に変動がなくても、円換算後の価値が影響を受け、業績および財政状態が変動する可能性があります。

3. 価格競争

当社グループの主力製品であるアルミ電解コンデンサにおいて、国内外の競合他社との間に生じる価格競争が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。当社グループは、多様な国と市場において事業活動を行っていますので、そのような国・市場ごとの個別の要因に応じて価格競争リスクに対応する必要があります。国・地域ごとの生産販売コストの変動、材料費の高騰、生産技術のイノベーションなどは係るリスクの要因となります。海外売上比率が高い当社グループは常に国際的な競争に晒されており、価格競争の激化は収益の押し下げのみならず世界シェアの低下を引き起こす可能性があります。当社グループとしましては、材料開発から製品販売まで一貫した生産体制という強みを活かし、生産システムの効率化等によるコストダウンを推進する一方、高付加価値で高収益な製品の開発や重点市場への拡販により競争力強化を図っています。上記の事業戦略を踏まえ当社グループはリスク対応を実施していますが、価格競争の激化は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

4. 原材料等の価格変動と調達に
ついて

アルミ箔や重油をはじめとした原材料等の仕入価格上昇によるコストアップの影響や原材料等の調達困難による製品出荷の停滞等は当社グループの業績及び財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
当社グループでは、海外製造会社における現地調達の推進や生産性向上等によるコストダウンの継続や複数社からの購買、サプライヤーの定期的な与信管理を行うなど、リスク回避対策に取り組んでいますが、急激な原材料等の価格高騰と災害等による広範な原材料不足は、当社グループの業績及び財政状態に影響をおよぼす可能性があります。

5. 製品の欠陥

当社グループは、世界各拠点で、世界的に認められている品質管理基準(UL規格、AEC-Q200など)に従って製造を行っています。
しかし、将来にわたり全ての製品において欠陥が発生しないという保証はありません。また、生産物賠償責任保険に加入していますが、この保険が賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
また、当社グループは全生産拠点にてISO9001、IATF16949等の認証を取得し品質管理の強化を図っていますが、大規模な製品の欠陥の発生は当社グループの業績及び財政状態に影響をおよぼす可能性があります。

6. 法令その他の公的規制等に関するリスク

当社グループが、事業を展開する国内外での進出先における法令その他の公的規制等及びその重要な変更、特に、当該規制等を遵守するための費用負担や当該規制等に違反したと判断された場合における刑事処分、課徴金等の行政処分または損害賠償請求は、当社グループの業績及び財政状態に影響をおよぼす可能性があります。
また、当社グループの事業は環境法令の適用を受けており、法令等の制定または重要な変更によっては環境責任のリスクを抱える可能性があります。
当社グループは、アルミ電解コンデンサ等の取引に関して、各国競争法当局からの制裁金に関する決定等を受け、その一部については裁判所における対応等を行っています。また、本件に関しましては、上記のほか、米国及びカナダにおいて、当社及び当社子会社に対する民事訴訟が提起されています。なお、このうち米国での直接購入者型原告団による損害賠償等を求める集団民事訴訟が、原告団の当社グループ製品の取引量等の観点から、現在係属中の民事訴訟の中で当社グループの業績及び財政状態等に最も重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟になります。同訴訟手続の正式事実審理(トライアル)は、2021年11月に再度新たに行われる予定です。従って、判決はその後に言い渡されることが想定されますが、それより前に判決が言い渡される可能性及び和解により終了する可能性も否定できません。
これらの法的手続きにおいて当社に不利な判断がなされた場合または和解により和解金額を支払う義務を負った場合、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

7. 自然災害や突発的事象発生の
リスク

地震等の自然災害や突発的事象に起因する、設備の破損、電力・水道の供給困難等による生産の停止は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大・長期化は市場の減退を引き起こす可能性があるだけでなく、各国政府の方針により休業を求められるなど事業継続に影響を及ぼす可能性があります。当社は従業員やステークホルダーの皆様の安全・健康を第一に考え、情報収集や行政との連携に努めながら、在宅勤務や時差勤務等各種感染予防対策の実施に加えてリモートワークツール等の活用により、業務遂行の継続に努めていきます。