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コモンモードチョークコイルの等価回路構築(理論)

コモンモードチョークコイルの等価回路の構築において、主に3つの手順(STEP1~3)の測定を行うことで、等価回路の数値が算出されます。
  STEP1
1次側コイル
インピーダンス測定
(1,2次側コイル入出力接続)
※鉄損抵抗分、巻線容量取得
STEP2
1次側コイル
インピーダンス測定
(2次側コイルSHORT)
※漏れインダクタンス取得
STEP3
1次側コイル
直流抵抗分測定
(2次側コイルOPEN)
※巻線抵抗分取得
測定回路 測定回路図(1,2次側コイル入出力接続) 測定回路図(2次側コイルSHORT) 測定回路図(2次側コイルOPEN)
測定値から得られるパラメータ

(STEP1)
Co,Ro,Loはインピーダンスの位相θを目安に取得します。
Co:θ<-80deg
Lo:θ>+80deg

Roは以下周波数foでの抵抗値を目安とします。
漏れインダクタンスを含むインダクタンスLoと鉄損に相当する抵抗Ro、巻き線の浮遊容量Coを測定します。
Ro、Coは1次側コイル、2次側コイルの合計値となります。
Loは1次側コイル、2次側コイルの両方で発生する磁束が加算されインダクタンスは2倍に思えますが、1次側コイル、2次側コイルは並列接続となり、結果Loのままとなります。
STEP1で取得したLo内に含まれる漏れインダクタンスLsを測定します。
磁気結合により、Lsは1次側コイル、2次側コイルの漏れインダクタンス合計値となります。
2次側コイルをSHORTの場合、1次側コイルから見て、磁気結合したLoはSHORTされ、残留分の漏れインダクタンスLsが測定できます。
銅線の直流抵抗DCRoを測定します。
1次側コイル、2次側コイル同一巻き数より、測定値は2次側コイルにも適用します。
測定結果を1次側コイル、2次側コイルへ分離作業
C:1回路分の巻き線の浮遊容量
R:1回路分の鉄損相当抵抗
Lo:1回路分のインダクタンス
(漏れインダクタンスを含む)
Lℓeak:1回路分の漏れインダクタンス

【備考】Lo‘について
LoからLℓeakを減算したもので、コモンモードノイズに作用するインダクタンスになります。
 

DCR:1端子分の直流抵抗
磁気的結合を考慮した等価回路へ展開
STEP1,2で得られたLo、Lℓeakより、結合係数k、及び相互インダクタンスMを算出し、コイル部分をT型等価回路に置き換えることでコモンモードチョークコイルの磁気的結合を再現可能な等価回路となります。(図1.)
ただし図1の等価回路では以下の不具合が発生します。
(不具合内容)
相互インダクタンスMは磁気的結合を表現するための物で、1次側コイル、2次側コイルの電気的絶縁が再現できません。

対策として、SPICE等のシミュレーションでは結合係数kを1以下に設定すると漏れインダクタンスの影響を含んだシミュレーションが可能であることから、素子数の削減と、磁気的、電気的整合性を確保するため、図2の等価回路を提案しま
す。
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直流抵抗分及びシミュレーションエラー対策を含めた最終等価回路 STEP1~3の手順により左図最終等価回路が完成します。

①浮遊容量(C)、
②鉄損(R)、
③結合係数(k)による漏れインダクタンス(Lℓeak)

これらの要素は高周波特性に理想特性とのズレを発生させます。
よってSPICE等に用いる等価回路モデルを作成するに当たり非常に重要なパラメータとなります。
 
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