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アルミニウム電解コンデンサにおける
アルミニウム電極箔の表面処理技術

[1]はじめに

電子機器類の発展は近年めざましいものがあり、これら電子機器の回路に用いられる集積回路、半導体素子、電子管などに代表される能動部品、L・C・Rなどに代表される受動部品、また機能部品、機構部品類などの小型化、高性能化、高信頼化が一段と進んでいる。

このような電子部品のうちで、金属表面処理技術がその機能に直接関連してくるものの一つとして、アルミニウム電解コンデンサをあげることができる。すなわち表面積拡大を目的としたエッチング技術、耐電圧の高い誘電体皮膜を得るための陽極酸化技術などで、これらに関連した化学的、電気化学的表面処理は、いわゆる装飾・防食を目的とした表面処理とは異なり、表面処理皮膜の電気的特性を有効に活用するために行なわれるものである。
陽極酸化皮膜を誘電体とする電解コンデンサは、当初は電解質水溶液を用いた湿式の電解コンデンサであったが、今世紀初めにホウ酸アンモニウムとグリセリンとの組み合わせによるペースト状電解液が開発されていわゆる乾式電解コンデンサが誕生し、さらにアルミニウム陽極はくを円筒状の巻込み型にする方法が開発されるに至ってアルミニウム電解コンデンサの小型・大容量技術の基礎が築かれるに至った。

また電解コンデンサ用誘電体皮膜の基礎研究についても、古くはGuntherschultze、Betz、その他多くの研究者により、理論的基礎固めが着実に進められていった。
このような過程のなかで1956年には、前述のペースト状電解液の代りに金属酸化物半導体二酸化マンガンを電解質とした、いわゆる固体電解コンデンサがウェスターン・エレクトリック社で開発され、また最近ではT.C.N.Q.などの有機半導体を固体電解質としたコンデンサも実用化されており、湿式・乾式と進んできた電解コンデンサは小型な固体電解コンデンサヘと展開しつつある。
このような発展の過程は、時代とともに強くなる電子回路の小型化・高性能化の要求に応じて、電解コンデンサの性能も必然的に改良・工夫がなされてきた結果である。最近では各種IC・LSI・超LSIへと回路は益々小型化され、これらにいかに容量素子を搭載するかがますます重要な課題となってきており、表面実装用のチップ型コンデンサの需要も急増しつつある。