TOP  >  IR情報  >  経営情報  >  トップメッセージ
IR情報

経営情報

トップメッセージ

2020年3月期の概況

2020年3月期における世界経済は、米国では景気は底堅く推移したものの、中国及び欧州では米中貿易摩擦の長期化により景気は減速傾向で推移致しました。また、日本国内におきましても、製造業を中心とした企業収益や設備投資の悪化に加え、消費税率の引き上げにより個人消費が落ち込むなど景気は低調に推移致しました。更に、年明け以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な拡大に伴い各国が渡航禁止、都市封鎖を始めとする感染拡大防止策の実施を余儀なくされたことなどから、世界経済は急速に悪化致しました。

当社グループを取り巻く市場環境につきましては、ICT関連市場は5G(第5世代移動通信システム)の基地局の整備が進んだことなどから堅調に推移したものの、車載関連市場は中国での自動車販売が低迷するなど減速傾向で推移致しました。また、産業用ロボットを始めとする産業機器関連市場は世界的な景気減速を受けて企業の設備投資が停滞したことにより総じて低調に推移致しました。

このような経営環境のもと当社グループにおきましては、第8次中期経営計画に基づく企業価値向上のための諸施策を実行してまいりました。販売面におきましては、前期に続き、長期的に成長が見込まれる車載市場、ICT市場等の戦略市場へ重点的な拡販を実施してまいりました。具体的には、自動車に搭載されるECU(電子制御ユニット)や5G基地局向けに、チップ形導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ「HXJシリーズ」の量産を開始すると共に、チップ形アルミ電解コンデンサ「MHSシリーズ」において更なる高容量化を実現した製品を開発し製品体系の充実を図るなど、戦略市場に向けた取り組みを強化してまいりました。生産面におきましては、6月に新設した生産システム本部が中心となり、生産拠点の設備の稼働状況を横断的に分析し、改善策を迅速に水平展開することで製造原価低減のための取り組みを加速してまいりました。

また、上期後半以降、緊急利益改善策として物流費の圧縮や間接部門の業務効率化による人件費の抑制など販売管理費の削減に努めると共に、設備投資の凍結等の施策を実行致しました。加えて、2020年4月には市場環境の変化に迅速に対応できる「強固な経営基盤」を構築するため早期退職優遇制度による退職者の募集を致しました。

しかしながら、米中貿易摩擦の長期化や新型コロナウイルスの感染拡大の影響により企業の設備投資が停滞したことに伴い、大形のアルミ電解コンデンサの受注低迷や操業度の悪化等により、当期の連結業績につきましては、売上高は1,145億99百万円(前期比18.7%減)となり、営業損失は28億91百万円(前期営業利益51億37百万円)、経常損失は42億45百万円(前期経常利益48億33百万円)となりました。また、特別退職金の計上等により、親会社株主に帰属する当期純損失は59億26百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益9億17百万円)となりました。

このような状況を踏まえ、当期の期末配当につきましては、誠に遺憾ながら見送らせていただきました。株主の皆様には深くお詫び申し上げる次第でございます。

部門別の状況

当期における事業の部門別の状況は次のとおりであります。

  1. コンデンサ部門(1,045億82百万円、売上総額の91.2%)
    中国を中心としたアジア地域において車載関連及び産業機器関連の需要が減少したことなどにより、当部門の売上高は前期比17.3%の減少となりました。
  2. 機構・その他部品部門(33億90百万円、売上総額の3.0%)
    CMOSカメラモジュールの売上の減少などにより、当部門の売上高は前期比4.1%の減少となりました。
  3. コンデンサ用材料部門(44億45百万円、売上総額の3.9%)
    アルミ電解コンデンサ用電極箔の需要が減少したことなどにより、当部門の売上高は前期比34.8%の減少となりました。
  4. その他の部門(21億80百万円、売上総額の1.9%)
    リセール品の需要減少などにより、当部門の売上高は前期比48.1%の減少となりました。

2021年3月期の見通し

今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による各国での外出・出入国制限や営業・生産活動の停止措置等により、企業の調達・生産・出荷等の経済活動が大きく制約を受ける中、個人消費や設備投資の落ち込みが見込まれるなど、当社を取り巻く経営環境は引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。

一方、中長期的な見通しと致しましては、自動車産業では“CASE”(Connected, Autonomous, Shared and Services, Electric)に代表される電装化・電子化の動きが急速に進展しており、また、通信技術の分野におきましても5Gの本格的なサービス開始に伴って通信基地局向けの部品需要が高まるなど、今後もアルミ電解コンデンサの需要は着実に増加することが見込まれます。

このような経営環境のもと、当社グループにおきましては2020年4月から第9次中期経営計画をスタートし、企業価値向上のための諸施策を実施してまいります。短期的な受注回復の見通しが不透明な中、厳しい環境においても着実に利益を創出できる企業体質への転換が求められております。第9次中期経営計画では「あらゆる経営環境の変化に柔軟に対応できる企業体質への転換」を中期目標に、各種施策に取り組んでまいります。

販売面におきましては、長期的な成長が見込まれる車載市場、ICT市場等の戦略市場へ向けて、引き続き重点的な拡販活動を行ってまいります。特に両市場で高い需要が見込まれるハイブリッドタイプ、導電性高分子タイプの各種コンデンサの拡販及び製品開発に注力し、売上の向上を図ってまいります。

収益面におきましては、新生産システムの構築を始めとする生産性改革を実行し、収益体質の強化に向けた取り組みを推し進めてまいります。また、2020年4月1日付で、当社の連結子会社であるケミコン岩手株式会社とケミコン福島株式会社のアルミ電解コンデンサ用電極箔の製造事業を、新たに設立したケミコン東日本マテリアル株式会社に承継させる共同新設分割を行い、電極箔事業に特化した迅速な経営を実現してまいります。更に、同日付でケミコン岩手株式会社、ケミコン福島株式会社をケミコン宮城株式会社に吸収合併し、商号をケミコン東日本株式会社に変更致しました。国内のアルミ電解コンデンサの生産拠点を一元管理することで生産性の向上を図ると共に、間接部門の共通化による一層の原価低減を図ってまいります。

なお、2021年3月期(2020年度)の通期連結業績予想につきましては、売上高1,135億円(前期比1.0%減)、営業利益29億円(前期営業損失28億91百万円)、経常利益22億円(前期経常損失42億円45百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益14億円(親会社株主に帰属する当期純損失は59億26百万円)を見込んでおり、為替レートは1米ドル105円を前提としております。

2020年6月
代表取締役会長  内山 郁夫
代表取締役社長  上山 典男